視線の同期
隣で眠るあなたの瞼にそっと触れる。その裏側で、あなたはどんな夢を見ているの? わたしが出てこない夢なら、今すぐ叩き起こして、わたしの顔だけを焼き付けさせてあげる。
あなたの息を吸って、私の息を吐く。だんだん、境界線が曖昧になっていく。あなたの視界を、わたしの視界と完全に同期させたい。あなたが見るものすべてを、私も同時に見られるように。そうすれば、あなたがわたし以外のものに心を奪われる心配もなくなる。
あなたの痛みは、私の痛み。あなたの視線は、私のもの。もう、それでいいよね?
いっそ、あなたの眼球をくり抜いて、わたしのコレクションに加えられたらいいのに。そうすれば、あなたの最後の記憶は、永遠にわたしのもの。誰もあなたを奪えない。
そうすれば、もう離れることなんてないでしょう? あなたの見た世界は、すべて私のもの。完璧な一つの存在。誰かがあなたの視界に入ろうとしたら、それは私の世界を汚すのと同じこと。その時は、私が全力で排除してあげる。私たちの愛のために。わたしだけを見ていれば、それでいいの。