ねぇ、私を見て


指先でスマートフォンの冷たい画面をなぞる。あなたの名前を検索して、SNSのタイムラインを何度も更新する。そこにわたしの知らないあなたの世界が広がっているだけで、心臓が凍りそうになる。

眠れないのは、あなたの視線が足りないから。あなたの瞳に私が映っていない時間は、わたしの存在価値がないのと同じ。静寂は、あなたが私を見ていないという残酷な事実を突きつけてくる。

「いいね」がほしいんじゃない。あなたの、特別な一番になりたいだけ。お願い、私だけを見て。

そんな夜は、あなたの写真を拡大して、その瞳に映るわたしを探す。そこにわたしがいないとわかると、息が苦しくなる。あなたの気を引くためなら、なんだってする。いい子にも、悪い子にもなれる。

お願い、私を見つけて。他の誰でもない、わたしだけを見て。あなたの視線が、私の唯一の存在理由だから。ねぇ、お願い。